2011年4月15日金曜日

広報担当者の振舞い

福島第一原発事故の収束の見通しが立たない。新聞やテレビで日々伝えられるショッキングなニュースに、遠く離れた西宮にいても心が痛む。原発の間近にいて、その理不尽とも思える暴威にさらされている方々のやるせなさ、つらさ、憤りに思いをはせると、言葉もない。
広報という仕事をしていると、この事故の広報のあり方に、人一倍敏感になる。中でも、当事者である東京電力の広報のあり方には、思うことが山ほどある。その中でひとつ、事故の全体像から見ると、きわめて小さなことだが、印象的な場面があった。事故から数日後、東電福島支店で行われた記者会見の場面である。
まず担当者の服装が場違いだった。派手なフレームのめがねに、いかにも業界人というような派手な仕立てのスーツ。相当金のかかったファッションである。平常時なら、あるいは広告会社の担当と話している時ならぴったりかも知れないが、いかにも遊び人、いかにも業界人という装いは、世界を震撼させた原発事故を伝える責任者の服装としては、いかにも場違いだった。
その「場違い感」は記者の質問に答える彼の姿にも、終始付きまとっていた。「いま調べています」「それについては情報が入っていません」と、記者の質問をかわすことばかり優先し、記者(すなわち、その背後にいる新聞の読者、テレビの視聴者)の知りたいことをことごとくはぐらかす。あげくは「だから、これから調べると言っているでしょう。情報を集める時間をくださいよ」と逆切れする。その振る舞いからは、事故の当事者を代表して記者の質問に答えるという謙虚さも、人間としての誠実さも伺えなかった。
その日以来、僕の東京電力に対する印象は、極端に悪くなった。
そして、関西学院の広報担当者の一人として、どんな状況に置かれても、彼のような振る舞いだけはするまい、と心に誓ったのである。(石)