2011年4月12日火曜日

春にして君を想う

上ヶ原キャンパスへと伸びる学園花通りのソメイヨシノは満開、桜のトンネルが続いているように見え、多くの学生がその下を歩き、キャンパスへと向かっています。

満開のソメイヨシノを見ると思い出すことがあります。16年前の冬、私は神戸市東灘区で阪神・淡路大震災に遭い、変わり果てた街並みの中で、日々を過ごしていました。生きていくのに精一杯な毎日で、春を待ちわびてはいましたが、それはいつもの冬よりも身にしみて感じていた寒さから早く解放されたいという欲求からで、美しい花が咲く季節である春を楽しみにしていたからではなかったように思います。

そんなある日、近道をしようととある神社の境内を抜けようとしたとき、一本のソメイヨシノが目に飛び込んできました。震災を耐えたそのソメイヨシノは震災以前の春と同じように美しい花を満開に咲かせていて、私は思わず立ち止まり、長い時間そのソメイヨシノを眺めました。

「止まない雨はない」、「明けない夜はない」、そんな風に言われても素直にそう思えなかった状況の中で「終わらない冬はない」という事実をそのソメイヨシノが強烈に伝えてくれている気がして、私は前向きな気持ちになることができました。「自然は厳しい、でも優しい」、そう感じることができたからだと思います。

昨日もまた、大きな余震が起こりましたが、満開の桜を見て美しいと感じ、春の訪れをこころから喜ぶことができる、そんな日々が今回の震災で被災された方々に早く訪れるよう願っています。(ジョルジュ)